ポップコーン

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ポップコーン

「ことちゃん、お疲れ様、どうぞ」 「あっちゃん。ありがとう」  大学の近くのカフェで私の好きなキャラメルラテとパンケーキを頼んで待っていてくれた彼は。近くの有名大学に通う二つ上の人だ。っと、思う、、、。 「今日は、学校どうだった?また誰かに声かけられたりしなかった?」 「しなかったよ。ずっと、奏といたから」 「そっかー。安心した。パンケーキ美味しい?うん、良かった!!」  爽やかで、ノリが良くて友達が多い。何より、優しい。 「それでさ、ことちゃん、僕たちそろそろさ」  私はがそう言う話をし始めるタイミングが分かる。だから、その言葉を聞く前に席を立つ。 「ごめんね。また今度お話聞かせてね。私もう行かないと。とぉっても美味しかった!ありがとう。」  キャラメルラテとパンケーキに感謝して、私は微笑み手を振る。 「あ、あぁ、またね」  ちょっと唇を閉じて寂しげな表情をするのがポイント。あっちゃんは、(まぁ、いいか。今度で。あぁ可愛いなぁ)という顔をして私を見送る。  夕方、駅ビルで待ち合わせ。 「ことかー。お待たせ」 「ううん、大丈夫。今日は、薄手のコートが欲しいんだけど選んでくれる?」 「勿論」  スタイリストをしているこのは、いつも私の服を選んでくれる。時間がある時は髪を切ってくれたり、とにかくセンスが良い。 「色とか、希望ある?」 「特には。でも合わせやすいのがいいかなぁ?」 「なるほど、あーっと、これはどう?」  彼はキャメルのトレンチコートを差し出した。 「ほら、裏地が可愛いよ。今年、襟とか裏地がチラッと見えるのが流行りだからね」 「ホントだ。でもちょっと、太って見えない?」 「えぇ?ことかは細いから大丈夫。ラインも悪くないと思うけど」 「うーん」 「じゃあ、他の店にも行ってみよう」  学生のと違って、包容力がある。結構有名で、cmやドラマの担当もしているとか。  いくつかのコートを試着して、ベーシックなステンカラーコートを購入した。着回しやすい“グレージュ”。 「あっちゃん、ありがとう。とっても気に入った!」 「プレゼントしたかったのに」 「いいの、自分で欲しかったから」 「じゃー、代わりにこれ。そのコートに合うの選んでおいたから」 「え?」 「ワンピース。今度はこれを着て見せて」 「えっ、ありがとう。でも、、、」 「プレゼントしたかったって言ってるでしょ?僕のわがままだから、受け取って」 「わかった。ありがとう、次に会える時絶対着てくるね」 「うん、楽しみにしてる。夕飯はどうする?」 「あっ、ごめんね。この後約束があるんだ、、」 「そっか、じゃあそこまで送る」 「いいの?嬉しい」  身につけるものは、基本的に自分で買う。美味しい時間、楽しい時間をと共有したいと思っている。最大限の感謝と、ちゃんとした線引き。それが自分の中でのルール。  夜、スペインバルで待ち合わせ。 「こと!お待たせ!」 「。お疲れ様。ここ、初めてくるね。美味しい?」 「おぅ!」  営業職のは、物知りで聞き上手。
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