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1.雷乃収声 (らいすなわちこえをおさむ)
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わたし:秋分だね。春分と一音違いなのに季節感の違いがあっていいね。
なぎさ:朝食と昼食みたいなものかな。言い間違えやすい。じゃあ、どうぞ。
わたし:まあ、そんなに急がないで。春分の時は、こんなのを詠んだんだよね。
春分の曇りて読書の目にやさし
ゆえもなく春分に約束を交わしたり
今日よりは橋の音早き春分や
なぎさ:工夫が目立って実感が乏しいな。「春分の」の句はまあいいかな。
わたし:う、始めます。
秋分の雨窓を開けベッドへと
なぎさ:雨だから1日中寝てましたって、あたしの部屋を覗いてたな!
山頭火秋分の寺線香や
わたし:谷中銀座の本行寺の小さな境内にある碑だね。インスタ(シトロン@葛飾)で報告した旧古河庭園の後に行きました。
なぎさ:あのさ、ネタにしといてなんだけど、山頭火の句ってわかんないんだよね。というか、ご本人はよほど自信家なのかなって思うんだよね。
わたし:コメントは差し控えさせていただきます。同じく本行寺の境内の写真で。
白の萩肢体を揺らす秋分や
なぎさ:色っぽい感じだね。〇体だともっとすごみが。
わたし:やめんかい! 谷中銀座を歩きながらお寺を覗くと線香の香りがいい感じでした。
彼の人と酒酌み交わす秋分や
お墓参りのお供ともお供えとも解釈できるかなって。
なぎさ:どっちにしても飲むんでしょ。
彼岸晴れ誰の墓やら酒うまい
ぶっちゃけ秋分より彼岸の方が詩的だよね。秋彼岸でないと紛れるって野暮はなしで。
わたし:酒が飲みたくて適当なお墓の前で座り込んだのか?
なぎさ:いえいえ、お彼岸にもひっそりしてるお墓を慰めてあげようという、やさしい心です。
わたし:夜に幽霊がお礼に来ても知らんぞ。わたしも彼岸で行きます。
パン屋さえ花を商う彼岸かな
どうよ!
なぎさ:これカバーに使ってるやつじゃん。繰り返しかぁ。
わたし:そういうメタなこと言わないで。
遅ればせながら本行寺です。
なぎさ:横書きの看板はなんて書いてあるの?
わたし:たぶん長久山だね。右から読む。
なぎさ:あ、なるほど。向かって左の縦書きは?
わたし:月……月見バーガー?
なぎさ:んなわけあるかい!
わたし:これは〇王寺です。
なぎさ:読めないんだったら、読めないっていいなよ。さっきから広告剥がされるの気にしてるYouTuberみたいだよ。
わたし:そういうのを諷してるんだよ。見えにくいけど、ベンツが境内に入って行くところなんだ。
秋彼岸ベンツで乗り込む墓参かな
このお寺も萩がキレイだった。
なぎさ:秋は和の花がキレイだなぁ。
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