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「…優美」
「私は小学校からずうっと虹狐と一緒だけど、この子の男嫌いは異常だから。班だって男子と隣になれなくて女子と組んでたくらいだよ?」
「そうなの?」
「ホントに?」
「本当だって。虹狐と学校一緒の子は皆んな知ってるから。楡野君って人当たり良いしうちらとも気さくに喋ってくれんじゃん?虹狐も話しやすいんじゃない?」
優美の目が私に向く。
優美には何も説明できてないのに…。
力強い瞳に「ぅん」と頷けば、まだ納得はしてなさそうなものの女の子達は「分かったよ」と離れて行った。
「はぁ、虹狐も大変だね。でも本当に何があったの?」
「優美に話したかったんだけど、」
「私も超聞きたい。でも今日は学校交流あるから話す時間無いね。体育館集合だって。一緒に行こ」
「…うん」
今日の午前は授業がなく、近隣の高校と合同の学校交流会が行われる。参加するのは一年生だけ。
学校の特色や力を入れてる事を代表者がモニターを使って発表する事になっている。
私達の学校は生徒会書記をやっている一年生の代表者が。その子とすれ違う時、束になった紙を胸に抱えて「どうしよう、緊張するっ」…凄く不安そうにしてた。
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