魔王誕生

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神様と悪魔の戦い。 それは嵐の荒れ狂う真夜中のこと………。 ではなく、普通に天界の昼下がりのことだった。 いちばん穏やかで、なごやかな時間。 なんなら、決着もすぐに着いた。 悪魔は神が仕掛けたワナにまんまとハマっていた。 悪魔は、ろうやの中で大人しく、体育座りをしながら「火」を眺めている。 この「火」こそが、神様の奥の手だった。 悪魔は天使のときから「火」が好きだった。 マッチくらいの小さい火から、キャンプファイヤーくらいの大きい火まで、火ならなんでも好きだった。 本人いわく、「何時間でも見ていられる」らしい。 天使時代、焚き火の前に体育座りをして、永遠と火を眺めていたこともあった。 実にシュールだ。 神様が止めなかったら、それこそ世界が終わるそのときまで、火を眺めていただろう。 かなりヤバいやつだ。 こんなヤバいやつに、人間をそそのかさせたら、そりゃ、こんな結末にもなるよ…………という心の声は置いといて。 その後、ろうやの中の悪魔に術をかけ、神様はなんとか、悪魔を封印することに成功した。 しかし、 悪魔封印! 世界平和! とは行かず。 人間は………。 あと戻り出来ないところまで、足を踏み入れてしまっていた。
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