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しばらくたって、雪のように白い肌を持った金髪の少女が目覚めた。
ゆっくりと体を起こして台の上に座っている。
はかない雰囲気の少女に、魔王は西の白い鉱石で作った、金の装飾の光り輝く手鏡を差し出した。
「お前は光鏡で『生』をつかさどる私のしもべ、生鏡光(せいきょうこう)だ」
生鏡光と呼ばれた少女は、光鏡を受け取ると笑顔でうなずいた。
穏やかな表情をする子で、あたたかな陽だまりのような雰囲気をまとっていた。
そんな生鏡光に、さっそく魂鏡火がちょっかいを出しに来た。
髪を引っ張ったり、ほっぺをつねったりするけれど、生鏡光は気にもしない様子でただ笑っているのだった。
その反応がつまらなかったのか、魂鏡火は飽きてしまい、不死鳥のもとへ行くと羽をむしり始めた。
「は!?痛いよ、キミ!
あー、もう!大人しくしててくれない?
ハゲちゃうからさぁ!!」
不死鳥の反応が面白かったらしく、魂鏡火は次から次へとちょっかいをかけた。
不死鳥の怒りが爆発する直前で、生鏡光が魂鏡火の服を引っ張って耳元でささやき、連れていった。
そして、二人は楽しそうに部屋のすみで仲良く遊び始めるのだった。
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