2人が本棚に入れています
本棚に追加
「オレ様、いそがしすぎる!!!!」
毎日お守りでヘトヘトの不死鳥は、それでもいつもどおり魔王に仕事を頼まれていた。
そして、ついに怒りが爆発して、玉座の間にいる魔王に抗議しに行った。
「おい、キミはオレ様を過労死させようとしてるよね?」
「お前は死なないだろう」
「そういう問題じゃないの!この前さ、あんたのさ、命令でさ、4体も生き返らせちゃったからさ!!今死んだらね、復活が遅いんだよ!わかる?魔力が足りないの!!しかも、生き返っても疲労がリセットされないからね!ずっとぐったりなんだよ!それにさ!あいつら人姿のオレ様だけに懐きやがる!あの姿は疲れるんだ、すごくねぇ!死ぬよ、死んじまうよ、1日2回は死ねるねぇ!」
「まあ、わかったから落ち着け。
あと数日経てば、四鏡司も大人になる。
それまでたえてくれ。
魔力が足りないのなら私のを分け与えよう」
魔王が指を鳴らすと、不死鳥の体に力がみなぎった。
「え、え、え。アメとムチかい?
危うくだまされかけたよ、やるねぇ、キミ。
一瞬、悪魔の中の悪魔、大魔王が天使に見えたもの。
元気になったけど、そもそもの疲労の原因はキミだからね、忘れないからね。
あと、定期的に魔力をわけてくれないと、怒るよ。
燃やすからね、城」
不死鳥はそう言いながら自分の部屋に戻っていった。
「この城はもとから燃えているではないか」
魔王の独り言だけが、玉座の間に小さく響くのだった。
最初のコメントを投稿しよう!