エピソードⅡ 殺し屋はお手伝いさん

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オレは、子どもたちを送り出した後、陽子の言った通り、掃除をしようと、子ども部屋に入った。 二段ベッドが、二つもある。 乱れたままの布団を、整えようと、二段ベッドの上に上がって、布団を捲った。 「うわっ!」 オレは、驚いた。 そこには、小学校の中学年くらいの男の子が寝ていた。 その子も、ビックリして叫んだ。 「なに?! あなた、誰?!」 そうか、この子が、ズル休みしているという、次男のふみと、という子か。 「オレは、ジローだ。この家の世話になることになったんだ」 「ジロー?」 不思議そうに、ふみとは呟いた。 「ああ。お前は、ふみと、だな。何で、学校へ行かないんだ?」 ふみとは、黙った。 見たところ、真面目そうで、気の弱そうな子だ。 「もしかして……イジメか?」 オレは、試しに訊いてみた。 ふみとは、また、布団を被って、答えた。 「そうだよ! ぼくは、何も悪いことをしてないのに、あいつらはイジメてくるんだ!」
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