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オレは、子どもたちを送り出した後、陽子の言った通り、掃除をしようと、子ども部屋に入った。
二段ベッドが、二つもある。
乱れたままの布団を、整えようと、二段ベッドの上に上がって、布団を捲った。
「うわっ!」
オレは、驚いた。
そこには、小学校の中学年くらいの男の子が寝ていた。
その子も、ビックリして叫んだ。
「なに?! あなた、誰?!」
そうか、この子が、ズル休みしているという、次男のふみと、という子か。
「オレは、ジローだ。この家の世話になることになったんだ」
「ジロー?」
不思議そうに、ふみとは呟いた。
「ああ。お前は、ふみと、だな。何で、学校へ行かないんだ?」
ふみとは、黙った。
見たところ、真面目そうで、気の弱そうな子だ。
「もしかして……イジメか?」
オレは、試しに訊いてみた。
ふみとは、また、布団を被って、答えた。
「そうだよ! ぼくは、何も悪いことをしてないのに、あいつらはイジメてくるんだ!」
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