出来る事

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出来る事

7人の騎士達は当番でご飯を作ってくれているが、現代の食事を食べてきた私にとってはかなり質素な食事だった。 お菓子作りが趣味な私は、料理が得意だった。料理当番の日に胡桃パンでつくるサンドイッチをつくった。 7人はびっくりしてとても喜んでくれた。 始めはいい顔をしていなかった人も、食事をきっかけに話しかけてきてくれるなどしてくれ、段々みんな私のことを受け入れてくれるようになった。 ーーあー胃袋掴んだってやつ?笑 前よりも少し仲良くなったので、私ができる唯一のこと。どうしてもみんなにやらせてほしいことがあった。 「みんなお願い。みんなの髪切らせて。絶対今よりイケメンにするから。みんなの髪見てるとうずうずするの。」 始めはみんな嫌がった。でも私も必死にみんなにお願いした。 紫の男が1人だけ手を挙げてくれた。同じ騎士服でも、着くずし方とかがおしゃれでピアスをしていた。おしゃれに興味があるのはすぐにわかった。 「他の国の流行とかやってみたい。俺の切ってよ。でも変だったら、本当許さないよ?」 ーーちょっとプレッシャー乗っかってきたけど、私にも腕には自信があった。 「絶対大丈夫だから。でも気にいったら、また切らせてね。」 外の切り株を椅子にして座ってもらい紫の男の髪を切り始めた。周り囲むように他の6人は私が切ってる姿を黙って見ていた。 30分程して鏡を紫の男に持たせて出来上がった髪型を見せた。 「出来ました。どうですか?すっきりしたでしょう?」 「……え?おれ?……いいね。雪すごいよ。ありがとう。これからも頼むよ!」 鏡の中にいるのは、ボサボサ頭のイケメンではなく、短髪が似合うおしゃれイケメンだった。 他の6人も紫の男を見て、自分も切って欲しいと騒ぎはじめた。順番にみんなの髪を切った。 みんなやはり元がいいので髪型変えるだけで、イケメン度があがっていた。本人達も満足してくれた。 また少しみんなと仲良くなれた気がした。 仲良くなるだけ不安な心も段々と小さくなっていく。 雪も7人の男もみんな心から笑っていた。 日々知らないことばかりだったが、みんなが優しく教えてくれた。7人の騎士との生活は居心地がよかった。
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