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城のパーティー
パーティー当日。
イケメン7人の騎士は、正装をしていてめちゃくちゃカッコよかった。城に到着すると、見たことないキラキラな笑顔で私をエスコートしてくれた。皆んなイケメンで注目の的だった。
参加している女子は、他の殿方が申し訳ないくらい騎士達に目を奪われてた。
あたしは、みんなのおかげでダイエットも間に合い、とても綺麗なドレスを着せてくれた。
お城なんて始めてきたから、全てがキラキラの世界でキョロキョロしている。
7人に小さい声で代わる代わる怒られた。
「キョロキョロすんな!」
とりあえず7人とダンスをしたり食事をしたり、楽しんだ。
私はお酒で少し熱くなり1人になりたくて7人を送り出す。
「少しゆっくりするから、7人ともかわいい子見つけておいで」
1人になってバルコニーに出て心地よい風が顔にあたる。星空を眺めて想う。
ーー知らない世界にきて悪いことばかりじゃないな……。お父さんもお母さんにも会えないけど、あたしは1人じゃないんだって今は思える。
なんだかんだで、7人の騎士はあたしに優しいし守ってくれているのがわかる。寂しかったはずなのに、今はとっても暖かい……。
いつの間にかあたしの裏切られた心は、あの7人によって暖められていた。また人を信じることを思いださせてくれていた。
「雪……」
後ろから、声をかけられた私は振り返った。
「今日は来てくれてありがとう。すごく綺麗だね」
騎士達に教えてもらったカーテシーをした。
ーー練習した甲斐がありなかなか上手にできたと思う。
「ルーカス様、ご招待ありがとうございます。お城はすごく綺麗ですね。こんな綺麗な景色今まで見た事ないです。楽しいです。ご招待ありがとうございました」
「喜んでくれて嬉しいよ。僕は雪に会いたくてしょうがなかったんだ……」
私の前に膝をつき掌にルーカス様は軽くキスをした。
私はびっくりして顔が真っ赤になった。
元気になったルーカス様は、優しい王子だと思ってたのにすごく積極的だった。
「雪……陛下に恩人の君を紹介したいんだ。ちょっと一緒にきてほしい」
断れるはずもなくルーカス様と一緒に陛下に会いに行った。陛下は、ルーカス様と私を交互にみてにこにこしていた。
「ルーカスがお世話なったみたいですまない。ルーカスとこれからも仲良くしてやってくれないか?」
ルーカス様は、恥ずかしそうにしている。
私は笑顔でうなずき答えた。
そして、ルーカス様は、自慢の庭に案内したいと連れていってくれた。
後ろ姿をみている陛下は小さくつぶやいた。
「ルーカスはもう決めたのだな」
「ジェードは決めたのだろうか?」
今日のパーティーは、公になってないが、王子の花嫁候補を探す大切なパーティーだった。
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