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「嫌じゃないだろう?……悦んでるの、ちゃんと伝わってきてる……」
「あ、だ、だめ……アッ……」
「ここ、いいの? もっと気持ちよくしてあげるよ……」
「や……いや」
さっきからもう何度も何度ものぼりつめていた。
わずかに残っている理性も風前の灯火。
アルコールと彼の容赦のない愛撫のせいで、意識はずっと朦朧としている。
どうして、こんなことになったんだろう。
わたしが……島内さんに抱かれるなんて。
会社の帰り道、自転車にぶつかりそうになって道に荷物をぶちまけたわたしを助けてくれて、それから食事に誘われて、お酒を飲んで、エレベーターのなかでキスされて……
「奈月」
快楽に翻弄されたわたしは、知らないあいだに涙を流していたらしい。
唇でその涙をぬぐうと、彼はわたしを壊れるほど強く抱きしめた。
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