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〈side Ryosuke〉
「めずらしいな。お前がひとりでこんな明るい時間から」
植田さんと一晩過ごした翌週の月曜日。
営業先から直帰の連絡を入れ、悪友、栗原がやっている新宿のバーに、開店前に飛びこんだ。
ひとりでいたら、自己嫌悪でどうにかなってしまいそうだった。
「えっ? じゃあ、あの4年越しの片想いの相手とついにヤッたの?」
「ああ」
「めでたいじゃん。で、なんでそんなに落ち込んでんだよ」
「彼女、長年付き合ってた恋人にフラれたばっかりでさ。で、食事に誘って慰めるだけのつもりだったんだけど……ああ、俺、絶対、軽蔑されてる。精神的に参ってる彼女につけ込んだ……卑怯な男だって」
カウンターに突っ伏す俺の横に、栗原はハイネケンの小瓶を置いた。
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