第2章 傷ついたきみを甘やかしたい

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「で、ちゃんと自分の気持ち伝えたのかよ」 「いや、彼女が寝ているうちに出てきた。勇気がなかった……『あなたの顔なんか見たくない』って最終宣告されそうで」 「はっ、なんだよ、それ。中学生男子じゃあるまいし。学生のころ、〝目があっただけで女を昇天させる男〟って言われてたお前が」 「そんなに遊んでなかったぞ、俺は。お前と違って」  栗原は否定せず、にやりと笑った。    何しろ、二股どころか4、5人と同時に付き合って、刃傷沙汰まで起こして、学校を退学になった強者だ。  みんな、騙されるんだよな、この顔に。  栗原はまた、痛いところをついてきた。 「それにその彼女、やり逃げされたと思ってるぞ、たぶん」 「やっぱ、そう思うよな、普通」
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