第3章 諦められない、とても

1/15
前へ
/152ページ
次へ

第3章 諦められない、とても

 休み明けの火曜日、出社してすぐ、水野課長の席まで行った。 「昨日はお休みをいただきありがとうございました。何かありましたか?」 「特に問題なかったわよ。連絡事項は社内メールをチェックしておいて」 「はい。わかりました」    会釈して席にもどろうとしたとき…… 「ずいぶんすっきりした顔になったね。何かいいことあった?」  水野課長はにやりと笑って言った。  「ひさしぶりに彼氏と睦まじく過ごせたってとこかな?」  彼氏と睦まじくって……  とたんに金曜日の夜の記憶が脳裏に浮かぶ。  ――こっち、向いて……感じてる顔、見せて……  わっ、出てこないで。
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6374人が本棚に入れています
本棚に追加