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エルミナは期待と不安に心が締め付けられる思いだった。
最後の材料を人任せにしなければならないことが心苦しく、落ち着かないエルミナだったが、もう覚悟を決めて待つしかない。
「では、待っている間にしていただきたいことがあります。今までずっとエルミナ様を応援して我慢してまいりましたが、戻られるのでしたら身だしなみを整えていただきます。食事も後回しにはさせませんよ」
「まだマリベルが苦しんでいるのに着飾るなんて」
セシルの厳しい言葉の中の温かさに気づいてなお抵抗するエルミナに、ガイルも声をかける。
「公爵夫妻はエルミナ様の気持ちもすべてご存じで、今日まで公爵家に戻ることを無理強いされませんでした。ご家族にこれ以上心配をかけてはいけません」
エルミナはその言葉に今度こそ力強く頷いた。
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