少女は金平糖の夢を見る

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 アリエラは自分が公爵家の実の娘でないことを知っていた。  公爵夫妻がその事実をアリエラに話したことはなかったが、アリエラ自身が覚えていたのだ。  アリエラは実の父も母も大好きだったが、それと同じぐらい新しい父と母が好きだった。  それゆえに、アリエラには誰にも話せない秘密があった。  エルミナは一人で責任を感じているが、アリエラはそうではないことを知っていた。  あの金平糖をマリベルにも分けてあげてとエルミナに言ったのはアリエラなのだ。  はじめはすぐにアリエラも本当のことを伝えるつもりだった。  エルミナがあまりのショックで、アリエラがすすめたことを覚えていないことに気が付くまでは。
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