少女は金平糖の夢を見る

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「お父様、お母様、ただいま戻りました。長く留守にして申し訳ございません」  セシルの努力のかいもあって細さは隠せないが顔色は悪くない。  髪も魔法で戻したようで長く艶があり美しい。 「ああ、ミナ良く戻ってくれました」 「ずっと会いに行けなくてすまん」  公爵夫妻はともに涙を浮かべた。 「両親が会いに来ることができないのは学園の方針、お父様やお母様のせいじゃないわ。戻らなかった私が悪かったのです」  両親の謝罪を遮りエルミナはきっぱりと言った。 「それよりベルは? 早くベルに会わなければ」  荷物を放り出し2つの小瓶だけを抱えて、記憶にあるベルの部屋を目指し走り出すエルミナだが、止めるものは誰もいない。 「ミナ姉さま、お帰りなさい」  息切れで言葉も出ないエルミナの目に飛び込んできたマリベルは確かに青白い顔をしていたが、けっして病に気力を奪われてはいなかった。
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