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ああ、間に合ったのだとエルミナは安堵した。
「ただいま、ベル。待たせてごめんなさい」
エルミナはマリベルに完成した薬を差し出す。
「これが毒物を中和させる薬、そしてこちらが糖質の分解が可能になる薬よ」
マリベルは予想外の言葉に顔を輝かせた。
「私、また金平糖が食べられるの?」
世間では事件の後も金平糖が作られ続けていた。
人気のある金平糖が売られなくなれば毒物のことに気づくものが出てくるかもしれないからだ。
青色の色素だけが取り除かれて今も何事もなかったように売られ続けている。
「そうよ。時間はかかるけど、金平糖だけでなく何でも食べられるようになるのよ」
それを聞いたマリベルは目を輝かせた。
後ろで聞いていた公爵夫妻も、予想以上の成果をエルミナがもたらした喜びを噛みしめていた。
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