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ざわつく気持ちを抑えながら、倒れそうになるのをなんども壁に手をつき駆け付けたアリエラもその話を聞いていた。
アリエラは糸の切れた人形のように、その場にヘタリと座り込んだ。
相も変わらずエルミナの顔を見ることはできないが、全てがいい方向に動き始めたことを神に感謝していた。
「ごめんなさい」
アリエラは絞り出すようにつぶやいた。
「ミナじゃないの。私が悪かったの」
今まで話せなかった言葉が堰を切ったようにアリエラからあふれてくる。
エルミナが覚えていない以上話さなければわからないことだったが、もうこれ以上黙っていることはできなかった。
「私がベルにもあげるように勧めたの」
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