少女は金平糖の夢を見る

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「エルミナったらまた欠席なの? いいご身分ね」 「アリエラ様とは大違いだわ」 「なぜアリエラ様がエルミナの代わりをしなきゃならないの」  あからさまなエルミナ批判に、アリエラはゆっくりと振り返る。 「私のことを思ってくださるお気持ちは嬉しいのですけれど、お姉さまを責めるのはおやめくださいませ。ミナは私の家族ですのよ」  エルミナをかばっているように見えるアリエラだが、擁護する言葉はない。  途端に講堂は静かになるが、誰ひとり納得しているものはいない。  その家族を危険に陥れたのは、エルミナではなかったのか?  二人の妹マリベルが、11歳になった今もどの学園にも通えていないのが、その証拠だと言われている。  エルミナが姉と妹の美貌や才能をねたんで毒を盛った、そんな話がまことしやかに囁かれているが、アリエラの立場をおもんばかって誰も大っぴらには話さない。  幼く体の弱かったマリベルだけが、今もほとんど起き上がることができないのだが、三人の父であるフローレンス公爵が、その毒殺未遂事件を握りつぶしたというのがもっぱらの噂だ。
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