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「ごめんなさい。ずっと言わなきゃって思っていたの。でも、私は本当の娘じゃないから、みんなに真実を知られるのが怖かったの」
すべてを告白したアリエラはようやくエルミナの顔を見ることができた。
「ありがとうミナ。ベルと私を救ってくれて」
エルミナはアリエラの手を取り首を振る。
「エラ姉さま、たとえそれが真実だとしてももう関係ないわ。私の作った薬が全てを変えてくれる」
エルミナはアリエラを抱きしめた。
そのあまりの力の弱さにアリエラは再び罪の意識を感じるが逃げるわけにはいかないと踏みとどまった。
「エラ、何時から知っていたんだい?」
公爵の言葉にアリエラは驚いて顔を上げる。
その瞳に責める色はなかったがアリエラの声は震えた。
「はじめから知っていたわ。父様や母様を忘れたことは一度もないの」
公爵夫人は驚きを隠せなかった。
「まあ、あなたはまだ2歳になったばかりだったのに」
アリエラは公爵夫妻が実の娘たちを苦しめた自身を、責めないことが不思議だった。
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