少女は金平糖の夢を見る

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「話さなかったせいで随分苦しめてしまったみたいね。あなたのお母様シシルは素晴らしい人だったの。私も公爵も何度救われたことか」  公爵夫人はアリエラの向こうにシシルを見ているようだ。 「エラ、ワトスとシシルは確かにあなたの両親だわ。でも、一度引き取って育てると決めた以上、私たちも母であり父であることに変わりはないのよ。ミナとベルと何ら変わらない私たちの愛する娘だということを忘れないでね」  アリエラは流れ落ちる涙を止めることができなかった。 「ベルは体が弱いし、ミナはおそらく魔導師として国を支えることになる。公爵家を継ぐのはアリエラ、お前しかいない事も忘れてはいけないよ」  公爵もアリエラの未来を保証した。
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