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学園は静かな冬の朝を迎えていた。
短かった夏は、とうの昔に終わりを迎えたはずなのに、エルミナの背中はぐっしょりと汗を感じていた。
目が覚めたばかりのエルミナは小さくため息をついてベッドを離れる。
長い前髪に目は隠されていて、表情を読み解くことはできない。
エルミナはいつもの恐ろしい夢を見ていたのだ。
全てが変わってしまったあの日、現実に起こったことだ。
エルミナの手にはキラキラとした金平糖のビンがにぎられていた。
その一粒をマリベルが口に運ぼうとしているところでエルミナは目が覚めた。
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