少女は金平糖の夢を見る

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 壇上からはエルミナを呼ぶ声がする。  学園長は幾度かそれを繰り返したが、エルミナの姿はない。  今日は学園の終業式。  今期も学園トップの成績でエルミナが、模範生として表彰されることになっていたが、どうやら今日も欠席のようだ。  エルミナがこういった行事に顔を出したのは、実に入学式のその時だけだ。 「アリエラ・フローレンス、代わりに壇上へ」  学園長は長いあごひげを何度か撫ぜた後、ゴホンと咳払いをしてエルミナの姉を呼んだ。  妹に及ばなかった姉に代役とは、学園長も無慈悲な人だ。 「はい」  一瞬歪んだ顔を、誰にも気づかれないうちに見事な笑顔に変え、アリエラは優雅に立ち上がった。  可憐でたおやかなアリエラは、学園一の人気者だ。  ため息まじりの羨望がアリエラに降り注ぐ。  同時に学園長には強い批判の視線が注がれたが、顔色一つ変わっていない。
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