第2章

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「とりあえずいただきます!」 私が強引に言うと2人も合わせるように手を合わせてそれぞれ料理を口に運んでいく。味は凄く美味しくてそれぞれが食べる度に盛り上がり、少し騒がしい空間が流れた。 「で、彼氏居ないの?もう何年?そんなに出会いないの?」 チナツからの質問に 「うん、居ないよー」 と答える。チナツは彼氏とは婚約していて、ミユキは最近別れたばっかり。その時にも3人でこうやって集まって飲み食いしながらミユキの話を聞いて慰めて笑いあった。 「作らないの?それともまだ好きなの?」 ミユキの問いに 「うん、好きだよ?」 とだけ答える。私はここ3年彼氏が居ない。っていうのもツバサに恋をしているから作れない。それはチナツもミユキも知っており、会うと毎回この話題は出る。 「でも無理じゃん。向こうはアイリのこと知らないんだし?」 チナツの言っていることは分かる。分かるけど 「なんで無理って決めるの?もしかしたらチャンスがあるかもしれないじゃん?」 「まだ会ったこともないんでしょ?それに会ったとしても向こうはファンの1人としか見ないよね…?」 ミユキにそう言われ 「そうだけどさ…」 と言葉に詰まる。ツバサは私の気持ちはおろか2人の言う通り会ったこともないし、ましてや私の存在は知らない。だから当たり前だけど私が本気で恋してることも知らない。私が一方的にツバサを知って恋をしているだけ。それが今の現状だ。
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