第3章

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「ツバサは一緒に家出るの?それともここで待ってるの?」 ベッドの上で漫画を読みながらゴロゴロしており、メイクしながら聞くと 「俺今日休みやからここで寝とく」 布団に潜り込んだツバサを見てあまりの可愛さに叫びたくなる気持ちを抑え、 「じゃあ鍵テーブルに置いとくから…ご飯は配達かカップラーメンなら作って食べれる?それだとあそこの引き出しに入ってるから。飲み物とかは適当に冷蔵庫の中のやつ飲んどいて。」 ある程度ここに居ても困らないように口頭で伝え、 「じゃあ行ってくるね」 玄関に向かうと 「待って!忘れ物!」 ガバッと布団から起き上がり、玄関までやって来て 「行ってらっしゃい!」 チュッてキスをされ、ギュッと抱き締められ 「あ、もうやばい…」 完全ノックアウトというか大好きな人にこんな事されたら 「大丈夫?腰抜かしたん?」 いやーそんなのだってさ…大好きな人が私の為にわざわざ起き上がってきて、大好きな人の顔が近付いてきたと思ったら大好きな人の腕の中に閉じ込められたんだよ?驚かない方が無理だって。腰抜かさない方が無理だって。 「立てる?仕事行けるん?」 立たせてくれようと片腕を私の腰に回し、片腕で私の手を支えて立たせようとしてくるから 「待って、こんなことされたら逆に立てない!自分で立つから大丈夫。」 壁に手を添えて少し力を入れて何とか立ち上がると 「よく出来たな」 ツバサの掌が私の頭をポンポンしてもう朝から何?なんなの?ヤバすぎる。行ってきますのチューもハグも、腰に手を回すのも触れてくるのも、しまいには頭ポンポンも分かってやってるのかはたまた天然なのか…ツバサの顔を見れば心底どうした?って顔をしていたから天然なんだろうな… 「とりあえず行ってきます」 「行ってらっしゃい」 見送るツバサに手を振り返しガチャンと玄関の扉を閉めた。
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