第3章

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聞き慣れた音楽が耳元で鳴り、奏でる本体を探して止める。 「なんだ…夢か…」 携帯にはアラームの設定時間が表示されており、一気に現実に引き戻された。 「でもなんかリアルだったな…会いたいな」 ポツリと呟き、あくびを一つしてよいしょと起き上がる。 「仕事行く準備するかー」 んーっと伸びをしてからベッドから起き上がって仕事へ行く準備をする。どうやら先程のツバサと一緒に朝を迎え、仕事に見送ってもらったのは私の妄想が強く出たのかどうやら夢だったみたいだ。でも夢とは思えないほど妙にリアルだった。確かにツバサの温もりを感じたし、やっぱりかっこよかった。でも部屋を見渡してもツバサは居ない… 「私重症かも…」 メイクをしながらふと出た言葉。夢の中でツバサの温もりを感じるほど私はツバサに会いたくて会いたくて仕方がないみたい。あの笑顔を直接見たい。あの声を耳元で聞いてみたい。夢で感じた温もりを直接感じたい。あー会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。昂る気持ちが押え切れずに爆発してしまいそうだ。それほどまでにやっぱり私はツバサが好き。時計を見るとそろそろ家を出る時間になったので、着替えて 「行ってきます」 と夢とは違って返ってくる声はなく、虚しい声が響いた家を後にした。
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