第3章

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そして携帯の時計が9時59分から10時に切り替わった瞬間。お願い!と念を込めて応募ボタンを押す。WiFiマークの隣がクルクル回り早く繋がってと焦る気持ちが抑えられない。そして…画面が切り替わり 「応募が完了致しました」 と表示される。え、嘘?整理券取れたの?メールボックスを開いて問い合わせをすると 「この度はご応募ありがとうございます。以下の件で整理券をお取り致しました。」 というお知らせメールが届いていた事で本当に整理券が取得出来たのだと実感する。 「えーどうしよう…ツバサに会えちゃうの…?」 段々と実感してきて携帯を握り締めながら画面を見つめているとツゥーと頬に冷たい雫が流れた。 「あれ…泣いてる…」 相当嬉しかったのか私の頬からはうれし涙が零れる。やっと、やっとの思いでツバサに会えるし、私という存在をアピール出来る。1回で覚えて欲しいなんてそんな贅沢は言わないけど、私のことをツバサの視界に映して「そう言えばこんな子も居たな〜」とふとした瞬間に思い出して欲しい。整理券はカード決済で料金を支払ったので、後日家に届くのを待つのみ。中々止まらない涙を拭いながら今まで仕事頑張って来てよかったなとか、ツバサを諦めないで想い続けて良かったって考えるとまた涙が溢れ出す。 「そろそろ泣き止まないと…」 ひとしきり泣いた後、喉も乾いてきたのでティッシュで顔を拭いてキッチンに向かった。
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