第4章

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予定より15分ほど早く着いてしまったが、チラホラと同じツバサファンの人と思われる人と一緒に会場が開かれるのを待つ。ドキドキしながらもツバサに会える喜びの方が勝ち、この15分はあっという間に過ぎた。会場時間になり、入口に立つスタッフに整理券を渡しながら入場する。設置されているプレゼントボックスを見つけたので、ツバサの元に届きますようにと願いを込めながらプレゼントを入れた。 「それでは開演時間になりましたので、おひとり様ずつ中に入って頂きます。楽しい時間をお過ごしください。」 案内係のスタッフの声に並んでいたファンの人達がキャーと騒ぎ、皆も今か今かとツバサに会えるのを待っている。いよいよだ。まだ順番は回ってこないが、もう目の前にツバサが居る。今まで生きてきた中でこれでもかってぐらいに心臓がバクバクしだし騒ぎ出す。ゆっくり深呼吸をして落ち着かせる。その間にもどんどんと列は進んでいき、後10人ほどで私の番だ。頭の中で何を話そうかと考える。チェキを撮る時間も考えるとそんなに会話する時間はないし、手紙に気持ちはぶつけてあるので、どうにかして手紙を読んでもらう事を伝えよう。今の私にはそれが精一杯だ。 「それでは次の方どうぞ。」 私の前の人が呼ばれ中に入っていったので、この次が私だ。長年想い続けていた人がもう目の前。ゆっくり深呼吸して落ち着いて。テンパって一言も話せないのは何とかして避けたい。
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