第1章

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今日の企画は面白い。彼が作りあげたグループでの撮影だ。普段は個々に活動しているグループだが、彼の魅力に惹かれ忙しいスケジュールの中こうやって集まり撮影をしている。今日はツバサ中心にオムライスを作っていく企画だ。 「んふふ、本当可愛い」 お料理企画は私が好きなツバサが見れる企画の一つだ。彼は決して料理が得意わけではない…というかむしろ出来ないタイプの人間だと思う。でも彼はそれさえも上手に見せれる人で、卵を割るにしても強く叩くから卵が潰れて中身が飛び出てるがそれさえも自信満々に見せる人。卵の殻が器に入ってしまったが、殻を上手に取り出せただけでドヤってる。もうその自信どこから来るの?ってぐらいそれだけの事で俺は料理出来るぞアピールをしてくる彼が本当に可愛い。 「あつい!あつい!」 油を引いたフライパンから油が飛んで怒っている。もう本当可愛い。そんなに熱いなら1回火を止めればいいのに、そのままみじん切り…よりも大きい玉ねぎや鶏肉を入れて 「油よ、止まれー」 って無邪気な子供みたいに必死になってやっている。 「ちょ…危ない!気をつけてください!」 慌てて見兼ねた他の子が注意に入るが 「いや、いけるやろ。お前気合いが足りんな」 と謎の理論で言い返す彼を見てずっと頬が緩んじゃう。夜ご飯を食べ終えたので1度動画を一時停止し、流しに食器を片付ける為に立ち上がった。
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