第4章

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カシャッとシャッターが切れて包まれていた温もりが無くなって 「また下向いてた。そんなんじゃあかんて。ちゃんと記念で撮らな」 目線を合わせるように問いかけられて、そんなまじまじと見られたら直視なんて出来るはずもなく頷くだけで精一杯。 「最後はちゃんと俺の顔見ろよ?」 壁側に誘導してくれて俯きそうになる顔を両手で包んで 「アイリ、俺の顔を見ろ」 はぁー。もう無理。好き過ぎて辛い。なんでこんなに優しいの? 「ん?ちゃんと顔見れる?もう時間ないぞ。」 そんなこと言われたら悲しくなっちゃうので、頑張ってツバサの目を見つめる。 「お、いいやんか。じゃあスタッフはこっち側に回ってこっちから撮って」 指示通りスタッフさんが回ってくれたので、ツバサの腕が壁を押し、私の顎に添えてくれてカシャッといいタイミングで撮ってくれた。 「じゃあ来てくれてありがとうな。気を付けて帰れよ」 ポンって頭に掌を乗せてくれて優しく微笑んでくれてハグしそうになる自分を必死に抑えながら 「ありがとうございました。手紙絶対読んでください」 この幸せな空間から居なくなるのは名残り惜しいけど後ろ髪が引かれる思いで出口に向かうと 「おう、手紙読むわ。アイリまたな」 って言ってくれて、嬉しさのあまり涙が一筋流れた。振り返り頭を下げて、私は幸せ空間から立ち去った。
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