第5章

6/11

12人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
「やっぱおもろいな」 当の本人は上機嫌で何も気にせずカシスオレンジを口に運んで… 「言っとくけど、そのカシスオレンジ!それさえも私には嬉しいですからね!?動画でお酒は飲まない、甘いのしか無理って散々言ってて、たまに飲むってなったらそのカシスオレンジかファジーネーブルか。本当にカシスオレンジ飲んでるんだ!ってテンション上がるんですからね!?」 ツバサは分かってない。自分にどれだけの魅力があって私を虜にしてるか全然分かってない。 「おまたせしました」 お肉が運ばれてきて焼こうとトングを持つと 「女は熱いから触るな」 ってもう何?私をどうしたいの?キュン死にさせたいの?あの俺様ツバサ様が今目の前で私の為にお肉を焼いてくれる…これ他の人にバレてら危うく危険な目に合うかもしれない。本人はあくまで無自覚ですってところがとにかくずるい。 「ほら、焼けたぞ。てゆーかさっきから思ってたけどアイリ敬語使っとらん?」 「ありがとうございます…いやなんかLINEや電話では頑張れたけど、やっぱ目の前にするとこう圧巻されてダメですね」 「LINEでもちょいちょいあったで。動画が良かったりアイリが興奮すると敬語で送ってくるで。」 そんな癖も気付かれていたのか。 「とりあえず食おう。でも楽しく食いたいから基本タメ語で。それによって喋らんくなるなら敬語で。」 ツバサからもらった提案にそもそも自分から話し掛けるなんて無理だよと思ったけど、そこはやっぱツバサが上手にトークをしてくれて、8割タメ語2割敬語まで落ち着くことが出来た。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加