第5章

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好きなように食べて飲んで。時々ツバサにからかわれながらも色々お話して。食後のデザートを頼んでいる最中に 「一つ気になること聞いていい?」 「うん、何?」 「アイリは俺をどういうので好きなん?ファンとしての好きなのか、それを飛び越えて一人の人間として恋愛感情として好きなのか。」 ここに来てド直球の質問に思わずグラスに伸びていた手が固まる。 「どうこうじゃないねん。ただ気持ちが聞きたいだけやし、好きなのは手紙読んで分かったけどどう思っとんのかなって思って」 じぃーっと見つめられ、それに耐えれなくなり視線を逸らす。 「答えれん?」 ちょっと拗ねたような声色で言うのはずるいでしょ。そんなん言わざるを得ないじゃん。 「えっと…恋愛感情として好きです。はい。好きで好きで堪らないです。気付いたらツバサの事が好きになってました。それからは毎日19時30分が楽しみで仕方ないです。今日はちょっと見れないけど…その時間が今一日の中で幸せです。だって画面越しで会えるから。声が聞けて笑ってる顔が見れるから。難しい恋です。YouTuberとファンの恋愛は。だけど楽しいです。普通の片思いよりは。だって、普通の片思いだとそんな毎日声聞けたり顔を見る事は難しいですから。だから私は周りにどう言われようと好きって気付いた時からツバサが好きです。一途に好きです。顔も声も、仕草も天然なところも。優しいところも兄弟愛や仲間思いなところも好きです。」 ここまでは聞かれてないけどつい熱弁してしまい、いたたまれなくなり 「すみません、トイレ行ってきます」 逃げるようにその場から離れた。
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