第5章

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焼肉屋から出てこの後どうするんだろうとツバサの目の前に立つと 「とりあえず今日は解散しよう。俺のモチベーションあげてくれたから企画考えたりするわ。だからこれ」 ポケットから雑に出されたお札。 「帰りのタクシー代。また飯行かね?」 えっ?今なんて?固まる私に 「俺の仕事不規則で次はいつって言えねーけど、また週末俺が空いてる時間作れたら飯行かね?」 「いいの?」 「いいのって何が?」 「こんないちファンがまたツバサに会っちゃっていいの?プライベートの時間使ってもらってご飯行っちゃっていいの?」 「もういちファンとして見てねーから。俺がアイリに会いたいから飯誘う。それじゃダメ?」 あっ、もうまーたこの人はいとも簡単に私の心臓を鷲掴みにする。 「行く、ご飯行く。」 「じゃあまた連絡するし、連絡して?返せる時に返すから気にせず送りたい時に送って?」 遠慮して私からあまりLINEや電話をしないのを感じ取っていたのかそんなこと言われたら 「分かった、毎日おはようって送るね」 「うん、帰り送って行けねーけど気を付けて帰ってな?」 そんな優しいセリフとは裏腹に意地悪そうな顔して笑うツバサに 「そういうツンデレも好き。じゃあ今日はありがとう」 くるっと背を向けてタクシー乗り場まで歩いて向かった。
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