第6章

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勤務時間が終わり、家に着く頃に鳴り響く携帯電話。 「もしもし?」 「ごめん、長時間撮影で今携帯見た」 「大丈夫だよ、お疲れ様」 「木曜日休み取れたん?」 「うん、有給取れたよ」 「じゃあ俺ん家来る?」 は?今なんて?えっ?思わず立ち止まって何故か辺りをキョロキョロ見回してから 「よく聞こえなかったというか…聞き間違えたかもしれないからもう1回言って?」 「俺ん家来る?その方が時間とか気にせず楽やろ。」 「聞き間違えじゃなかった…えっ!?」 「何?いやなん?」 その聞き方はずるい。嫌か嫌じゃないかって言ったら 「嫌じゃないけど…」 「けどなんなん?」 「行ってもいいの…?」 「いいから言ってるやろ。逆にあかんかったら言わん」 まぁそうだけどさ…そうだけど。私がツバサの家に行くの?いいの? 「ご飯は配達頼めばいいやん。俺はその方がゆっくり出来る」 そんな風に言われたら断る事なんか出来るはずもなく 「じゃあ行きます…」 「住所は後でLINEで送るわ」 それからはちょっと雑談していつの間にか家に着いたので、そこで電話は切れ 「えー!?私ツバサの家行くの!?どうしよう…」 と独り言が誰も居ない空間に響いた。はぁー本当どうしよう…と部屋着に着替え、手洗いうがいしてからベッドにダイブ。考えても仕方ないがこんな事騒がずにはいられない。ツバサの家に私が行く…ちょっと嬉しくてだけど凄く緊張する。いいのかな?私なんかがツバサの家にお邪魔しても…とずっと延々と考える。考えても考えても嬉しさよりも緊張の方が勝つので考えても分からなかった。
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