第7章

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可愛い…可愛いんだけどさ。 「今日は甘えん坊さんなの?」 頭を撫でながら尋ねると 「俺猫やねん」 「突然どうした!?」 突拍子も無いことを言い出した。 「猫やから丸くなってんねん」 「あー…なるほど?でも猫ってこたつで丸くなるって歌は聞いたことあるけど、膝の上は聞いたことないよ?」 「俺という猫はそういう概念ないねん。俺が丸くなりたい所が俺の居場所やねん。それがアイリの足の上。あんまアイリの概念ばっかりで見んといてや。猫に色んな種類がおるように、猫個人の行動も様々なんやから」 何?何この可愛い生き物。何そんな事を真面目な顔して語ってるの?最後はドヤ顔してるの?言ってやった感出してるの? 「果てしなく可愛い猫ですね」 「やろ?本来は高いんやで?まず俺という猫いくらするか知ってるか?」 「え?いくら?100万とか…?」 「ちゃう、1億やねん。俺が動けば1億は経済回るから俺の価値は1億やけど、アイリはこの膝さえ貸してくれれば特別にタダやから。だから何も気にせんといて」 「それは動くなって事かな?」 「そういう事」 いや、そういう事ってどういう事!?ってツッコミたくなるが、髪を撫でられ気持ちよさそうだし、ご満悦な笑顔で語ってくるし…まぁしばらくはこのままでいいかなと思い、ツバサの気の済むまで膝を貸してあげよう。それにしても本当に猫みたい。しかし動画上では俺様で、ツバサ国の王様で、基本ツンツンな態度しか見せないツバサが実はこんなに甘えん坊だとは彼女しか知らない1面だ。
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