19人が本棚に入れています
本棚に追加
大将戦
50名という少数ながら一方的にデーモンの群れを蹴散らしていくタブラリゴ騎士団。
エクスデーモンα~γらを蹴散らした組長たち。
形勢は完全に逆転した。
「勝てる・・・なんとか守れそうだ」
緊張しっぱなしだったレンカの表情が緩む。
「レンカ姫よ、まだ終わっておらん」
クイサーブが引き締め直した。
「はっ⁉そ、そうでした、申し訳ない」
「まだメインが残っておるしな」
「そうだった、キングデーモンがまだいる!」
「そうだ、だから我はここに残ったのだ」
「なんという的確な采配」
「ウッホウッホホ!内外面共に知的さが溢れているとよく言われるぞ」
「外面はお世辞だよ」
「ん?」
「いえ、その通りにございます」
「うむうむ・・・む⁉来たか」
「はい・・・この圧倒的プレッシャー・・・キングデーモンです!」
クイサーブとレンカの10メートルほど先、暗黒の渦が発生した。
「ゲハハハハハハハハハハ!!!キングボ・・・デーモン~!」
けたたましい笑い声と共に、渦の中からキングデーモンが姿の一部を見せた。
「人間どもよ!調子に乗ってくれたな!皆殺しにしてくれるわ!!」
キングデーモンは暗黒の渦をゲートにして、魔界からワープしている最中だ。
現在上半身はハシーノ国、下半身はまだ魔界という状態だ。
「ウッホーーーー!!!」
クイサーブは一瞬にして暗黒の渦の前に立つと
ズドンッッッッッッッッッッッッ!!!!!
キングデーモンの頭をもぐらたたきの要領で、脳天に伝家の宝刀ウホウホこん棒をお見舞いした。
「そ、そんな・・・まだワープ途中に攻撃するなんて・・・なんて卑怯な・・・」
「タブラリゴ家の教えその17"変身中とワープ中は隙だらけ!!"」
ガクッ、キングデーモンは絶命し体が崩れ無くなった。
「何と!!あのキングデーモンを一撃で倒すとは!!・・・でも卑怯・・・」
「戦場で卑怯も何もない!隙だらけで登場する方が愚か!!」
「まあ、そうなんですけど・・・」
「これにて完全勝利~!皆の者、勝どきだ!勝どきを上げろーーー!!」
「ウホホホホホホホホホホホホホホホーーーーーーーー!!!」
ポコポコポコポコポコポコポコポコポコ~っ!!
ドラミングしながら叫ぶタブラリゴ騎士団たち。
「いや・・・なんか違う!!」
レンカのツッコミはドラミングの音にかき消された。
さらに・・・
「我の勝利を称えよ!皆の者!クイサーブ讃美歌熱唱~!」
「ウッホー!」
「へ?」
ウホウホウーホ♪ ウーホホホーー♪ ウーウーホーホー♪
ウッホホウッホー♪ ウホウホウホウホ♪ ウーウーホー♪
ウーホホホーー♪ウッホホウッホー♪ ウホウホウホウホ♪
ウホウホウーホ♪ ウーホホホーー♪ ウホウホウーホ♪ ウーホホホーー♪
タブラリゴ騎士団たちの歌声が夜空に流れた。
レンカはただただ呆けていた。
最初のコメントを投稿しよう!