6.エピローグ

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6.エピローグ

毎晩、もう寝るだけというところまで準備を済ませた後、ベッドでゴロゴロしながら話をするのがふたりの楽しみだった。 真剣な仕事の話は抜きにして、何でも話せる時間だ。 「ねぇ、直生」 「んー?」 「少し前のランチの時間に・・『桜が社長になる前から、ずっと好きだったよ』って言ってたじゃない?」 「そんなこと・・言ったか?」 ふざけた俺に、もー!!と言いながら桜が覆いかぶさってきた。 ぎゅっと抱き締めながら、俺は同じ言葉を繰り返す。 「桜が社長になる前から、ずっと好きだったよ。・・お義父さんには、完全にバレてたけど、桜は気づいてなかったのか?」 「うん、全然」 「仕事の勘はいい方なのに、恋愛の勘はニブイのかー。それならそれで・・」 「え?」 「俺だけ見てればいいってことだよ」 ぎゅうっと腕に力を込めると、俺の胸の辺りから桜の声がした。 「私は、いつだったのかなぁ・・」 「好きになったタイミング?」 「うん・・。社長になってからっていうのは間違いないんだけど、いつなんだろう」 「明確にコレ!っていうのがないなら、徐々になんじゃない?」 きっとそうね、と桜は腕の中から這い上がってきて、俺の首に腕を回した。 「直生、キスしてもいい?」 「どうして聞くんだ? いつもは聞かない──」 途中で俺の唇は桜にふさがれ、甘い夜が始まった。
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