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この会話はそこで途切れた。私はパウンドケーキを載せた皿をキッチンに移して、自分の部屋へと入った。すると、自分の荷物をリビングに置いてきてしまったことと、夕方から服を着替えてなかったことに気がついた。すぐにリビングに戻って荷物をとってから、部屋に戻って家着に着替えた。すると、お母さんに呼ばれて、いつも通り夕食作りの手伝いを頼まれた。お米を炊飯器に入れて、野菜をいくらか切って鍋に入れ込む。手伝いが終わって、部屋に戻った時、そういえば今日のご飯はなんだろうと思ったが、それ以上は深く考えずに、勉強用具を机の上に広げた。
勉強をしていると、スマホにメッセージアプリからの通知が届いた。メッセージの送り主は友美。グループチャットにそのメッセージは届いていた。
『再来週のクリスマス。午後から私の家でパーティーをしない?』
私は目を疑った。まさか、友美が倉持咲の言っていた通りにパーティーを開こうとしているとは。思わず、ごくりと唾を呑む。それから、立て続けにメンバーからの返事が届いた。
『オッケー、行く行く!』
『わかった〜』
『その日は北海道に旅行行くから無理〜 ごめんね』
『行けます!』
『行けそうにないよ。すまん!』
流れるように、素早くチャットが進んでいく。その中で私は何もメッセージを送れずにいる。すると、友美がチャットに戻ってきたようで、メンバーの一人一人に返事と相槌のメッセージを送り始めた。
『真希ちゃん、了解! 待ってるね』
『加奈〜 首を長ーくして待っているよ』
『きらりちゃん! それは残念…。帰ってきたらお土産ばなし聞かせてね』
『くるみー! 良かった! 嬉しい!』
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