幕間1

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 ああ、このまま死ぬのだろうか。そんなことを考えた。気が遠くなるほど転がり続けて、腕も足も折れに折れて、身体中から血が出て、気を失った。  夢の中で目が覚めると、そこは真っ暗で何もない場所だった。 「ここは、どこ……」  辺りには誰もいない。ただ私だけがいる無の世界。そんな言葉がしっくりとくる場所だった。 「誰か!」  叫んでみた。誰からも返事は無かった。私は何とか、折れた足を動かして立ち上がる。立つのもやっとな感覚だった。立つことに慣れたところで私は無の世界を歩き始めた。この先に何かがあるというあては無い。それでも、なぜか、向こうへ行かなきゃという気持ちがあった。私は歩いた。 「はっ!」  気がつくと、家のベットにいた。時刻は朝の六時。いつもより早く起きてしまった。  呼吸が荒い。 「夢、か」  私は心を落ち着かせるためにベットを出て、キッチンでコップに水を注いで、飲んだ。あの夢は何だったのだろうか。水を飲み干して、もう一杯水を飲んだ時、考えても意味はないことを私は考えていた。この後、無の世界を彷徨い続ける不思議な夢はしばらくの間、見続けることになった。  この夢が無意識からのSOSだとも気づかずに。
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