12人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
パンを食べ終えて、服を着替えて、荷物をまとめた。パーティーは午後からなのでゆっくりと準備をする。あと一時間ほどで家を出ればいい。私は少しの間、部屋でゆっくりすることにした。好きなアーティストの音楽を聴いたり、動画サイトで流行っている動画を見たりした。そうしているうちに時間になったので、家を出ることにした。外は寒そうだったのでコートを身に纏う。リビングに出ると、テレビは東京とかで開かれているクリスマスイベントのことを伝えていた。綺麗なクリスマスツリーが画面に現れる。私は一瞬だけそれを見て、お母さんを探した。
「お母さん?」
「はい、何?」
洗面台の方から声がする。程なくして、お母さんがリビングに来た。
「じゃあ、行ってくるね」
「うん、気をつけて。あと、あれ、忘れないでね」
「あ、危なかった」
私は慌ててテーブルの上に置かれたままの袋を手に持った。それから、玄関に出てしゃがんで靴を履く。靴を履き終えて、立ち上がる。後ろを振り返ると、お母さんが立っていた。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい!」
私は扉を開けて、外へ出た。階段を降りて、駐輪場へ向かう。予定の時間はまだ余裕があった。私は自転車の鍵を開錠する。それから、前面に取り付けられているカゴの中に袋を入れた。私は自転車に跨って、ゆっくりと漕ぎ出した。
最初のコメントを投稿しよう!