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「友美は学校ではどうしているの?」
彼女に質問に私はどう答えて良いのか分からず、少し考えた。不自然に間が空く。少し焦って、私は答えを絞り出した。
「ええと、そうですね。彼女は普通に頑張ってますよ。友達のこととか、勉強のこととか」
かりんさんはそれを聞いて、神妙な表情で窓の方を見つめる。目は遠くを見ていた。
「そうか、友美、やっぱり頑張っちゃっているのか……」
「頑張っちゃってるとは、どういうことですか?」
友美が用意していた広間中に設置されているスピーカから、流行りのクリスマスソングが流れている。私とかりんさんにとっては場違いだったのだが、逆にそれが良かった。かりんさんは言葉を選ぶような感じで答えてくれた。
「彼女さ、私たちからしたら普通じゃないじゃん。両親のことなんか特にそうだって本人が昔言ってた。それで……」
「それで?」
「それで、普通になりたがっているの彼女は。だからこそ、友達を欲していんだと思うんだ」
「そうだったんだ…… 」
「でもさ、彼女は友達を欲している割には、友達のことを位づけしたり、突き放したり、ねちっこく攻撃したりしてた」
「どうして……」
「私にもよくわからない。でもそのせいで、倉持さんって人が相当傷ついてた」
「待って、倉持って、倉持咲のこと?」
この質問をした時、かりんさんはとても驚いたような顔をしていた。
「そう。あれ、友美と同じ高校だっけ?」
「そうです。友美は、倉持さんには近づくなって言っていました……」
「そうか……」
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