聖夜

12/25
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
「いいの。こっちこそいろいろ話してごめんね。せっかくのパーティーの場でするような話題じゃなかった。ごめんなさい」 「いいえ。でも、おかげで友美と倉持さんの関係が少しはわかった気がします。少し前から気にはなっていたので」 「それなら、良かったよ」  彼女の表情は心なしかさっきよりも明るくなっていた。直後、向こうのほうからかりんさんの友達らしき人たちがやってきて「ねえ、ケーキ食べない?」と彼女を誘った。彼女は「喜んで」と返事をする。すると友達たちは「じゃあ、向こうで待ってる」と言って離れていった。 「じゃあ、また今度お話ししましょう」 「はい」 「ありがとうね」 「こちらこそ、ありがとうございます」  別れの挨拶を交わして、かりんさんは友達たちのいる向こうの方へと歩いていった。
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!