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目が覚めた時には真夜中の二時だった。開ききってない目で辺りを見回す。
「変な時間に起きちゃったな……」
眠気がとれていく。フラフラしながら立ち上がって少しストレッチをする。目を向けると傍に置いたままだったお父さんからのプレゼントがあった。せっかく貰った物だから、開けないのももったいなかったので、包みを開ける。中には小さなオルゴールが入っていた。木でできていて、全体に温もりが感じられた。ゼンマイを回して、音を鳴らしてみる。流れてきたのは優しい曲だった。私にはこれがなんの曲かはわからなかったが、一瞬で好きになれた。この時、思わず自分が笑顔になれたことに気がついた。それから、誰に向かってでもなく、つぶやいてみる。
「ありがとう、お父さん」
いつか、この言葉をちゃんと言おう。そう思った。
それから、友美や倉持さんのことを考えてみた。二人が仲直りすることはできるのだろうか? しばらく考えてもこの状況を乗り越える手段は見つからなかった。
「考えても、仕方ないのか……」
私は一つの賭けに出ることにした。ただ、今すぐはどうにもできないので、私はまた眠りについた。
気がついたら、夜も更けて朝になっていた。
リビングに出るとお母さんが、いつも通りにテレビを見ていた。
「おはよう……、その、昨日はごめん」
昨日のことを謝る。昨晩は二人を心配させてしまった。本当にごめんなさい。
「良いのよ。気にしてないからさ。あと、お父さんも同じだから、心配しないでね」
お母さんの返事は意外なものだった。嬉しくなる。
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