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朝食を済ませてから、私は頼れそうな人を探した。少し考えて真希ちゃんなら頼りになりそうな気がしたので連絡を入れた。すると、すぐに彼女から返信があり、昼過ぎから会うことになったので、私は時間が来るまで家で待った。
時間が来たので、待ち合わせの場所で数分ほど待っていると、真希ちゃんが現れた。私服姿の彼女がこちらまで駆けてくる。私の前まで来ると彼女は申し訳なさそうに聞いてきた。
「ごめん、待たせた?」
「全然」
「それなら良かった」
私と真希ちゃんは早速、近くの座れるベンチを見つけて座り込んだ。それからこの日の本題を話し始めた。
「今日、来てもらったのはさ、倉持さんと友美のことなんだ」
「うん。それで?」
「二人に仲直りしてもらいたいから、どうしたら良いか一緒に考えてくれない?」
「わかった。かなり難しいと思うけど、由香里ちゃんがそうしたいなら手伝うよ」
「ありがとう!」
私は真希ちゃんに向かって手を合わせた。
私と真希ちゃんはどうしたら二人を仲直りさせることができるのかを考え始めた。だけど、仲直りできそうな手立ては簡単には見つからなかった。
「どうしよう、出ない」
近くの自販機で買った温かいお茶を飲む。真希ちゃんもさっき買った温かい紅茶を一口飲んでからため息をついた。
「あの二人を隔てる壁は思った以上に大きそうね」
真希ちゃんが言った。私は二人を仲直りさせるための方法を書いたメモを眺めながら彼女の言葉にうなづいた。
「でも、由香里ちゃんがここまで人のことを考えてるの初めて見た」
「え、そう?」
「そうだよ」
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