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彼女の言葉に私はハッとした。たしかに、これ程以上に他人のことを考えていたことが無かった。
私はただ、クラスの中にあるヒエラルキーのことや、自分を守ることしか考えていなかった。だけど、今はこうして、真希ちゃんと一緒に友美と倉持さんのことを考えている。私は、倉持さんが現れたことで何かが変わったのかもしれない。そう思えた。
「ねえ、何も浮かばないならまずは本人らに話を聞いてみたらどうかな?」
しばらく考えた結果、真希ちゃんはそう提案してくれた。たしかに、まずはそこからだと思った。
「そうだね。でも、倉持さんにどう話を聞いたら良いかわからないし、そもそも連絡先や家も知らないよ」
「大丈夫、倉持さんの家なら知ってる人がいるから、その人に聞けば良いと思う」
「本当! じゃあ、その人に連絡をとってもらって良いかな?」
それから彼女はすぐに連絡をとってくれた。私は次の日にその人と会うことになった。こうして、私の戦いが始まった。
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