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「よしみんな集合! じゃあ六月の大会に向けて、本番のつもりでタイム測るよ」
私が声の主を見ると、部長の真壁圭吾が集まった他の部員に大声で指示を出していた。身長180cmの長身は、100m走の選手としては大柄だといえるだろう。圭吾の短い髪に巻かれた赤いハチマキが、ひらひらと風に揺れていた。
「かっこいいですよね、部長って」
私の隣で圭吾を見ていた結ちゃんが呟いた。「急にどうしたの」と、何気ない風を装って答えた私の胸は、ドクドクと震えていた。
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