人の不幸は蜜の味

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 俺の親父は人の不幸が大好きだ。新聞で地元の若い人が亡くなると、 「おー! よしよし」  と言っている。頭がおかしいと思う。じいちゃんも似たようなところがある。さすが親子、似たもの同士。それ故、たまに親父とじいちゃんは口論になる。親父の年齢は五十二歳、じいちゃんは七十七歳。二人共まだまだ元気だ。因みに俺は二十六歳。  親父の職業はトラックの運転手で気性が荒い。だから、会社の仲間が俺の家に来た時、親父と喧嘩になる場合がある。でも、暴力を振るったりすることはない。言い合いで終わる。酒を飲んでいるからヒートアップする。  母親はコンビニのパートをしていて五十歳。母親は、割とおとなしいタイプできっと、気の強い父に惚れたんだろう。結婚した当時のことを言えば。  そんな親父は母親が車で事故ったりしたら、手が付けられないほど激怒する。 「何やってるんだー!」  と怒鳴り散らす。  親父は車が大好きで、オイル交換や修理などは自分でしてしまう。  いつも明るく元気な親父にそうじゃなくなる出来事が起きた。  親父の母親、要は俺のばあちゃんが肺ガンになっていることが判明したのだ。  即入院した。この町の総合病院に。  ばあちゃんは七十九歳で、今でもキツイ煙草を吸っている。でも、これからは禁煙生活になるだろう。  まずは医者が黙っていないと思う。  ばあちゃんが言うには、残り少ない人生を我慢して煙草を吸わないのは酷な話だと思う、とションボリしていた。  親父は人の不幸は好きだが、自分や身内が不幸になったのを笑われるのは嫌いみたいだ。  まあ、そうだろう。俺も身内の不幸を笑われるのは頭にくる。これは俺や親父ばかりではなく、誰でも同じだろう。  いつの時代も人の不幸は、口では同情するようなことを言っても、心の中では笑っているのかもしれない。  でも、それは皆そうかもしれないし、仕方のないことだろう。  親父は実はマザコンだと思う。俺も同じかもしれないが。  ばあちゃんがガンだと知って死を迎えるということに親父があんなに落ち込むなんて、考えられなかった。  正直、らしくない。仕事も一日だが休んだし。  母親の死というのはそれほどまでにショックなのだろうか。想像がつかなかった。  まあ、自分の母親じゃないからわからないのかもしれない、親父の気持ちが。    今日は日曜日で俺の仕事は休みだ。なので、ばあちゃんの見舞いに行こうと思い、親父を誘った。  親父は、 「行かない」  と言った。 「なんで?」  訊いてみると、 「婆さんに会うと、悲しくなる」  そうか、それなら仕方ない、一人でいくか。  俺は家の前に停めてある赤いスポーツカーに乗って総合病院に向かった。  俺も親父と同じく車が大好きだ。車高を下げて改造してある。  もちろん車検は通らないから、その時がきたら一時的にノーマルに戻す。そして車検が終わったらまた改造する。ぶっちゃけ、お金はかかる。そのために働いているようなものだ。  かっ飛ばして行ったので約五分で着いた。  ばあちゃん、大丈夫かな? あのばあちゃんなら大丈夫だろう、殺しても死ななそうな人だから。  俺は軽くそう考えていた。  実際、ばあちゃんの病室に行ってみると、点滴をしていた。ばあちゃんの部屋は二階で二〇一号室。四人部屋。満室だ。受付に行ってばあちゃんの部屋の番号を訊いた。教えてもらう前に何点か質問された。どういう関係なのか? 名前も訊かれた。最近は個人情報が厳しく管理される時代になった。だが俺は、早く教えろよ! とイライラした。  ばあちゃんに声をかけると、目を開けた。眠ってはいないのかな。 「ああ……。隆二りゅうじ、来てくれたのかい……」  ばあちゃんは明らかに元気がない、やばいなぁと思った。 「ばあちゃん、大丈夫かよ……。元気だしてくれよ」  俺も徐々に親父のように悲しくなってきた。その時だ、俺のスマホが鳴った。見てみると親父からだった。どうしたのだろう? 廊下に出て電話にでた。 「もしもし、親父?」 『ああ、婆さんに何ていう病気か訊かれても、肺ガンっていうことは伏せておいてくれ』  親父は元気がない声で喋っている。 「わかった、言わないよ。でも、しつこく訊かれたらどうする?」  彼は黙っている。 「それに、ばあちゃん、だいぶ弱っているみたいに見えるから、もし亡くなるとしたら、納得したうえであの世にいかせてあげたいな」  俺がそう言うと、 『確かにそうだな。抗がん剤治療をしているから、長くはないと思うんだ』  と答えた。 「わかった、訊かれたら答えるわ」  そう言って電話を切った。  部屋に戻るとばあちゃんは再び目を閉じていた。だいぶ少なくなっていた点滴も外されていた。そこに看護師がやって来た。 「ヤヘさんのご家族の方?」 「そうだけど」  中年くらいの女性看護師だ。 「ヤヘさんの状態を訊きたい時は、事前に言って下さいね。主治医に伝えますので」 「わかった、その時はよろしく」  俺は笑顔を浮かべて喋っているのに、なんでこの看護師は不愛想なんだ、気分が悪いな。こんなんでよく看護師が務まるな。俺はそう思った。でも、飲み屋の女じゃないから、そこまで愛想が良くなくてもいいのか。仕事さえきちっと抜け目なくしていればオーケーか。俺は看護師という仕事をよく知らないから。 「ヤヘさんに何か言葉をかけてやってくださいね。刺激になるので」 「それはいい刺激なのか?」 「もちろんです」 「そうか」  この看護師は、事務的な感じがする。あんまりいい感じがしない。患者をなんだと思っているんだ。そう考えると腹が立つ。看護師は、失礼します、と言ってこの場を去った。俺はばあちゃんに話し掛けようと思った。 「ばあちゃん、目を開けろよ。俺に笑顔を見せてくれ」  そう言うと泣けてきた。俺は涙を目に浮かべて、 「ばあちゃん、生きてくれよ! 俺らをおいてくなよ!」  もうすぐ亡くなる、と俺は決めつけていた。それに俺はハッと気付いた。もうすぐ死ぬわけじゃない、ということに。でも、そう思えてならない。 「ん……。隆二か? ワシはまだ死なんよ。死んでたまるか」  そうは言うけれど、口調が弱々しい。本当に大丈夫だろうか。でも、そう言うということはそう思っているということだから、きっと大丈夫だろう。  俺は勝手に思って、勝手に安心している。単純なやつかもしれない、俺は。まあ、気難しいよりいいだろう。 「それにしても、何でワシはこんな状態になってしまったのかな。病名はなんだ?」  ばあちゃんの顔色が悪い。確実にガンはばあちゃんの体をむしばんでいるだろう。 「ばあちゃん、病名知りたいのか?」  少し間を置いて、 「うん、でも教えてくれないんだろ? 医者や看護師に訊いてきてくれよ。このまま何も知らずに死ぬのは嫌だよ」  かわいそうなばあちゃん、親父と話した通りにしよう。 「ばあちゃん。ばあちゃんの病名教えてやろうか? 親父が医者から聞いているらしいんだ」  ばあちゃんは黙っている。 「重病だったら嫌だな……」  ボソッと言った。 「知るのが怖いなら言わないけど」  俺がそう言うと、 「いや、教えてくれ。覚悟はしてる」 「……肺ガンだよ」  ばあちゃんは、ショックを受けるどころか、逆に笑っていた。開き直ったのか? と思って、改めて強いばあちゃんだと思った。 「ショックじゃないのか?」  フフンと鼻を鳴らした。 「まあ、そんなことだろうと思っていたよ。それと、まだステージだから治る見込みはあるはずさ」  それはどうかな、治るといいけど、親父は医者から訊いて、十中八九だめだろうと言っていた。さすがにそれは言えない。本人は治るかもしれないと思っているのに水をさすようなことは言えない。これも親父に言わないと。もし、言ってもいいと言われたらばあちゃんに伝えよう。俺は部屋を一旦出る前に、友達に電話してくる、と嘘をついた。本当は親父に電話するのに。 「遊びに行くなら、ワシのことは気にせず行っておいで」  優しい、と思った。俺は陽射しのさすデイルームに来た。そして、親父の携帯に電話をした。未だに、スマホを持っていない、興味がないと言う。 何回か呼び出し音を鳴らした。繋がって、 「もしもし」  と俺は言った。 「もしもし、隆二。どうした?」  俺は言い辛いことを相手に言った。 「実はさ、ばあちゃんの肺ガン、治るかもしれないと思ってるんだわ、さっき、話しててそう言ってたから。でも、親父は医者に十中八九だめだろう、て言われたんだろ? こういう場合、治らない、と言った方がいいのか?」  俺との間に沈黙が訪れた。そして、 「それは……それを言うのはさすがの婆さんも酷だろう。だから、それは言わなくていい」  わかった、と言って電話を切った。ばあちゃん……かわいそう……また、涙が溢れてきた。この状況を笑うやつはいないだろうけれど、もし、いたら八つ裂きにしてやる。それぐらい俺は家族を大切に思っている。俺は現在、二十六歳で、親父は五十二歳だけど、すでに俺の方が力はある。だから、いざ何かあって家族を守るとしたら、俺が守る。そう思っている。でも、病気から守ってやることはできない、残念ながら。それは、うがいや手洗いをしたりと、自己管理してもらうしかない。例え風邪であっても悪化したら最悪、死に繋がる場合もあるということは、知識の乏しい俺でも知っている。  再び、ばあちゃんのいる病室に戻った。 「あら、まだいたのかい。もう帰ったのかと思ったよ。友達と遊ばないの?」 「ああ、遊ばないよ」  ばあちゃんの表情が変わって、笑みが消えた。 「あら、どうしたんだい? 喧嘩でもしたのかい?」  俺は質問攻めで答えるのが億劫になった。 「いや、電話で済む用事だから」 「ああ、そうなんだ。それならよかった。ワシ、隆二にいてほしいと思ってたからちょうどいい」  それを聞いて、え? と思った。寂しいのかな。四人部屋とはいえ、他人ばかりだし、身内がやっぱいいよな。俺はこんな荒っぽい気性だけど、弱い人間は助ける。特に身内にいる子どもや年寄りは。子どもといっても俺の子どもじゃなくて、弟の子どもで二歳になる甥っ子だ。年寄りは、父方の一緒に住んでるじいちゃんと、入院しているばあちゃんのこと。それと、母方のばあちゃん。じいちゃんは数年前に亡くなった。 「このワシが肺ガンかぁ。煙草吸い過ぎたかなぁ。まあ、なってしまったものは仕方ないからあとは修理するしかない」 「修理って」  俺は思わず笑った。 「ところでまだいれるんだろ?」 「ああ、いれるよ。寂しいのか? それとも暇なの?」  ばあちゃんは考えている様子。 「うーん、両方かね」  やっぱりなと思った。 「病気があるから不安っていうのもあるんだろ?」  ばあちゃんはそれには答えなかった。きっと図星なのだろう。  ガンが憎い、そう思った。大切な人の命を奪っていく厄介な病気だ。 「なんだか怠くなってきた、寝ることにするよ」 「ゆっくり休んでくれ」  そう言ったあと病室を後にした。  帰宅して家に入ってみると、親父がいた。俺を見ている、どうしたんだ? そう思いながら俺も見つめ返した。親父は、 「婆さん、どうだった?」  ああ、そういうことか。親父が俺を睨んでいるのかと思った。 「行った時は元気なかったけど、俺がいるからなのか、徐々に普通になった」  親父の表情は少しだけ、明るくなった。 「サンキューな。本当はおれも行かないといけないんだろうけど、なんだかその気になれなくてな」 「そういう時もあるさ」  親父はフフンと笑った。何で笑うんだ? 失礼だな、いつもだけれど。これが親父の悪い癖。人を馬鹿にしたような笑い方。まあ、こういう昔からの笑い方なのだろう。そう思うしかない、じゃないと腹が立つから。  数日後の夜七時過ぎーー。  ばあちゃんの容態は急変した。病院からの連絡は母親の携帯電話に来た。 「お父さん、病院に行くよ! 隆二も高志たかしもおじいちゃんも!」  高志というのは、俺の弟。 「婆さん、何で急に……?」  親父が呟く。 「病気が病気だからな、仕方ないかも」  親父は急に元気がなくなった。 「お父さん、用意して!」  母親はそう言うが、横になってしまった。俺よりメンタルが弱いかも、親父は。それか、肉親だからそこまでショックをうけるのか。はっきりしたことはわからないけれど。でも、その可能性は強いと思う。ばあちゃんは俺からしてみたら親じゃなく、祖母だから。その違いはあるだろう。 「お父さん、早く! 一刻を争うのよ! 母親に会いたいでしょ! 生きている間に」  そう言うと、親父は、 「生きている間って、勝手に殺すな!」  怒った。 「だったら早く行こう!」  母親は親父に喝を入れるように言ったのが効いたのか、 「よし、行くぞ! 婆さんがあの世に行く前に!」  俺は密かに笑ってしまった。親父の気持ちの豹変ぶりに。でも、病院に行く気になってくれたからよかったけれど。  それにしても俺は矛盾しているな。身内の不幸を笑われるのは嫌いな癖に、俺は親父のことを笑ってしまった。申し訳ない。  車の運転は母親がするのかと思いきや、親父がするようだ。助手席に母親が乗って、後部座席の右側に俺が乗り、高志が左側に乗った。親父の運転はいつもなら安全運転だが、今は荒い。一時停止もろくにせず、かっ飛ばした。たまたま、警察の取り締まりをやっていなかったから捕まらなかっただけで、取り締まりをしていたら、捕まっていただろう。  総合病院に着いて親父は皆が車から降りるのを見計らって、施錠した。早歩きで皆をおいて行った。母親の言葉が相当胸に響いたようだ。さすが母親。俺ら三人も早歩きで進んだ。院内へは正面玄関は閉まっているので、救急外来の入口から入った。弟の高志は初めてお見舞いにくるはずだ。自動ドアの前で親父に追いついた。 「早く開け!」  自動ドアに怒鳴っている親父。  ようやく開いてバタバタと院内に皆で入った。廊下を突き当りまで歩き、二階まで階段で上がった。  ばあちゃんの部屋に行ってみると、主治医が心臓マッサージをしている。危篤……? 必死に延命処置をしている。親父の顔を見てみると、青白くなっている。 「婆さん……」  一言呟いた。  主治医の必死の延命処置も虚しく、血圧は零になってしまった。そして医者はこちらを向き、 「ご家族の方ですか?」 「はい」  親父が返事をする。医者は頭を下げながら腕時計を見て、 「八時三十五分、ご臨終です」  と言った。  その後、医師は病室から出て行った。親父は涙を流しながら、 「婆さん……。俺らを置いて行きやがって……。畜生!」  と怒鳴った。そのあとは看護師に促され部屋を出た。  親父は廊下の壁に寄りかかり、うなだれている。こんな親父、初めて見た。俺は、親父の隣に行き、 「大丈夫か?」  返事はなく、洟をしゃくり上げている。そして、 「大丈夫だ。いずれ、こういう日がくると覚悟はしていたのに、急だったからな。きついわ……」 「まあな」  その後は、看護師に体を綺麗にしてもらい、葬儀屋に任せた。  通夜、告別式、出棺を終え、ばあちゃんはこの世から消えた。  俺の家には、墓も仏壇もないので、買わなければならないらしい。俺は海への散骨を提案したが却下された。散骨すれば、墓も買わなくていいのに、安いものじゃないから。親父が言うには、墓がないと、婆さんがいなかったように感じるからと言った。じいちゃんも親父と同じ意見。じいちゃんは、 「男のワシが先にあの世に行くかと思ったけど、違った」  と言っている。あまり、ショックを受けている様子はない。なので俺は、「ばあちゃんが亡くなって悲しくないの?」  じいちゃんに訊いた。 「悲しいに決まってるだろ。ただ、則次のりつぐみたいに表に出さないだけだ」  ちなみに則次というのは、親父の名前。 「そうなのか、じいちゃん強いな」  と言うと、 「男がそんなメソメソしててどうする。則次は女の腐ったみたいなやつだ」  すると親父は話しに入ってきた。 「なんだと? 爺さんは人情というものはないのか! 自分の奥さんだった人が亡くなったんだぞ。よくそんなことが言えるな」  フン! とじいちゃんは鼻で笑った。本当にじいちゃんは親父と同じで性格が悪い。男だって泣くときはあるだろう。理解のない人だ、七十七歳にもなって。腹が立ってくる、親父が可哀想だ。よく言えば親父は優しい、悪く言えば気が小さい、でも普段の親父を見ていると気が小さいと思えない。ひとつ言えるのは、じいちゃんよりは気が小さい、と言えるだろう。  そんなじいちゃんがある時「胃の辺りが痛い」と言い出した。でも、こんなじいちゃんだから、俺や親父は構わなかった。唯一、心配したのは母親だけだった。今まで散々酷いことを言ったり、人の不幸を笑ったりするからつけが回ってきたのだろう。「知るか!」と俺は言った。すると、 「おいおい、隆二。そんなこと言うなよ。ずいぶん冷たいじゃないか」  じいちゃんはそう言った。親父は、 「爺さんのことなんか誰も心配しないぞ、何でかわかるか?」  言うと、 「ワシがなにをしたっていうんだ。悪いことなんかしてないぞ」  今度は親父がフン! と鼻で笑った。 「則次、お前、何で鼻で笑うんだ?」 「爺さん、今までの自分が言ってきたことを思い出せよ。酷すぎるぞ。だから、バチが当たったんだ」  じいちゃんはムッとしている。 「お前らには頼らん。ワシは病院にも行かん。病院は嫌いだ」 「勝手にしろ!」  親父は吐き捨てるように言った。  俺から見ても、親父はじいちゃんのことを心底嫌いなようだ。俺も嫌いだけど。気が強くて男気があるのはわかるんだけど、人の不幸を笑う傾向が強いから、そこは治してほしいところ。親父もそういうところはあるけれど、じいちゃんほど酷くはない。  じいちゃんの胃が痛い、というのは実は気になっているけれど、本人が病院には行かないというのだから仕方がない。子どもじゃないから無理矢理連れて行くわけにもいかない。苦しくなったら、行かざるを得ないだろう。そこまで症状が酷くなってからでは手遅れかもしれないけれど、仕方がない。本人の選んだ道だから。結局、生きていく道は自分で切り開いていくものだと思う。楽しく幸せな人生を送るのも、自分の努力が必要かなと感じた。全て努力でどうにかなるとは思わないけれど。                               (終)
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