少年の主張

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ドロボーをしたことをある人は手を挙げてください。おや、思ったよりも少ないですね。まあ何を、どの程度をドロボーと考えるかは人それぞれですからこんなもんですかね。 僕はね、ドロボーなんてしたくないんです。「当たり前じゃん」って思った? じゃあ僕の屁理屈を聞いてくださいよ。 僕は、ドロボーっていうのは他者から奪うことだと思うんですよ。お金やら宝石やら下着やら、そんな誰でも思いつくようなことを改めて言おうとは思いません。僕たちはもっとたくさんのものをドロボーしてるじゃないですか。時間?違いますよ、頭をつかってください。 正解は、ここそこで生きていることです。 モノの自由を、生死をちゃんとドロボーしてるじゃないですか。 それで世界が成り立っていて、必要なことなんだからと考えられるあなたは素晴らしいドロボーです。他者から奪うことを正当化するんですね。 「お前だってそうだろ。」 と憤慨しているあなた、その通りなんですよ。お恥ずかしながら、この通り僕は13年間ドロボーし続けてしまっています。誰よりも真っ直ぐであるようにと「直人」と名付けられたその瞬間から早くも両親の期待を裏切ってしまいました。 僕は、清いままでいたかったんです。でもそれは叶わない夢になってしまったらしい。 僕は考えました。 そして今、皆さんよりも少し高いところからアスファルトを眺めています。 そう、僕はこの罪から飛び出すことにしたんです。数え切れないほどドロボーをするのは疲れました。 皆さんとのお別れはとても寂しいですが、僕の門出を祝ってくれますよね?それとも一緒にいき、 おっとっと、足が滑ってしまいました。もう時間のようです。 それではまた。 泥棒・・・他人のものを盗む人、それをする人。 ( 引用,Oxford Languages)
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