12章〜ソースは焼くでしょ〜

1/1
前へ
/34ページ
次へ

12章〜ソースは焼くでしょ〜

9月の半ば LHR(ロングホームルーム)で 2年7組は家庭科室を借りることが 決まっていた 今日はクラスのみんなで たこ焼きパーティ くじ引きで決めた班で たこ焼きを作ることになっていた 各班で王道たこ焼きや 変わり種たこ焼きを作る 私の班では王道のたこ焼きと チョコレートを入れたたこ焼き(タコ抜き) マシュマロを入れたたこ焼き(タコ抜き) を作ることを計画して材料も漏れなく 購入もしていた もはやたこ焼きって名乗っていいのか そんなことをクラスの皆に口々に言われた ちなみに 幼なじみたち4人は全員違う班 それぞれの班で楽しむもんだと その時は思っていた 家庭科室に入ってから 私の班は計画していた通り 先にたこ焼き器を温めながら たこ焼きの液を作る とても順調で計画的 そして完成した 王道のたこ焼きはやっぱり美味しい 中がチョコレートのたこ焼きは味の バランスが全く取れてなく 甘すぎる物になってしまった 中がマシュマロのたこ焼きは... 想像を絶するほどの美味しさだ クラスの子達が変わり種たこ焼きを 食べにやってきてくれたので 幸い残すことなく 食べ尽くすことは出来た 王道が無難かつ1番だね 班のメンバーで話しをし、 片付けを手早く進めた やけに盛り上がっている班がある そう思った私はある程度片付けを した後にその班に向かった そこでは班が全員違かったはずの 幼なじみ3人がたこ焼き器を 囲んでソースを焼いていた 「焦がしたソース本当に美味くない?」 「あーめっちゃ美味いわ」 小学生かなと思いつつも ぼんやり眺めていると幼なじみ3人が 口を揃えて私にいう 「焦がしたソース食べてないでしょ」 ぼんやりと眺めていただけなので もちろん食べてない 「そんな美味しいの?」 私は重い口を開けた 「食べてみたら分かるからほら」 「あーんしてあげるよ」 「わかった、わかった」 私は言われるがまま口を開けて 焦がしたソースをいれてもらう 「これ本当に美味いわ」 幼なじみ3人はだから 言ったじゃんと言わんばかりに 他にも醤油など調味料を焦がしたものを 作り始める 「これも美味しいから」 そして次々に口の中に放り込まれて いくのだった 幼なじみに食べさせられていた 見たことない光景を見ていたクラスのみんなは 「お前ら、本当に何してるの?」 という 幼なじみ4人は 「ソース焼いて食べてるの」 と答えた いや、見たらわかるわ そんなん と全員顔に書いてあった 幼なじみ4人が回し食べしている所も 食べさせているところをみてる所も 普通に考えたらおかしいのに 「聞いたうちらが本当にバカだった」 「さあさあ片付けしようぜ」 口々にいい、みんな元の班に戻って 片付けを再開していた 「えー、つまんな、みんな美味しいのに」 幼なじみ4人はそう言いながら ただただ焦がしたソースをたべた 担任の先生から 「仲良いのはいいが、そろそろ片付けしろよ」 との声がかかり、幼なじみ4人は 元の班に戻って片付けをはじめた この頃から幼なじみ4人が仲が良すぎて クラスの子達も4人でいるところに 介入しにくくなっていたそうだ
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加