14章〜1人で何してるの?〜

1/1
前へ
/35ページ
次へ

14章〜1人で何してるの?〜

修学旅行2日目 今日はクラスのみんなで 美ら海水族館に行く クラス写真を撮ったあと、 班ごとで活動することが決まっていた 2年7組は1番最後に撮影してから 次々に班ごとに入っていく 班は男女別の3~5人構成である 私のいた班の子で 具合の悪い子が出てしまい その子に付き添った その子が落ち着いてから 美ら海水族館の展示をゆっくりまわる 大きな輝く水槽の中に 宝石のように輝く魚たちをみて 水族館の魅せ方に1回1回感動を覚えた 班のみんなで写真を撮ってみたり 水槽の外から輝く魚を覗いて見たり 思い思いに時間を過ごす 特にジンベエザメの展示は圧巻だった 班のみんなで外に出た時に 出店を見たいということで付いていった しかし私は集団行動が苦手で どうしても1人の時間を求めてしまい 「ちょっとその辺散歩してくるわ〜」 と班の子に伝え、1人で海沿いを歩いた 汐風の香りが何故か心地よく 香りに靡かれて足の向かう方に 身を委ねた たどり着いた先はお土産売り場 そうだ、お母さんたちに何買おう? 明日は全国大会の前日のため 始発で沖縄を離れてしまう 離れる前にお母さん、お父さん、そして 妹に何かいい物を買ってあげたい そんな思いを馳せ、足早に向かった お土産売り場では、幼なじみ3人が 相談しながらまわっていた 私はお土産を見つめ、真剣に悩んでいるところ 幼なじみ三人衆に声をかけられた 「1人で何してるの?」 「ちょっとグループ活動に疲れちゃって 1人で気の向くまま歩いたら、辿り着いたんだ。 私にとって今日が沖縄最後の日だから」 「一緒にお土産みようよ」 「いいよ」 4人は自然に集まり、 親へのお土産リクエストを片手に 相談する それぞれの家庭で求められている お土産の違いに面白さを感じ、 みんなでまわってみんなで悩んだ 私は1人でまわりたくて ここまでたどり着いたはずなのに 幼なじみといる時は、 森林浴しているぐらいに落ち着く 時間が何時だかも 班のメンバーがどこにいるかも分からないまま ただその場を楽しんでいた ちょうどその時 修学旅行についてくださっている カメラマンのお姉さんに声をかけられた 「君たち、班活動では無さそうだね」 「全員違う班かな、どういう関係?」 それに対してみんなで口々に 「幼稚園からの幼なじみなんです、 一緒に居るのが楽だからちょっと集まってて」 「親同士も知り合いだから一緒に お土産悩んだ方が絶対良い買い物できるんで」 と必死に思いついた言い訳をする。 「なるほどね〜、いいね、幼なじみ」 そうカメラマンのお姉さんは答えた 少し悩んだあと、お姉さんから提案があった 「幼なじみでの写真撮ってもいいかい?」 「ポーズ撮るんじゃなくて、自然に買い物 している所がいいかなと思うんだけど」 幼なじみ4人衆は答えた 「はい、ありがとうございます」 「カメラ気にせず、 いつも通りでいてくれていいから」 「分かりました」 そうしてまた幼なじみの世界へ戻った 「里歩のパパママは、可愛いものと 美味しいものだよね」 「うんうん、これとこれで悩んでいて」 「色合いとか口コミ的にもこれがいいんじゃない?」 「いいね、これにする」 そんな会話の中、 遠くから白く輝く光が私たちを照らした 「本当にいい写真撮れたよ、ありがとう」 「写真を現像する頃には班活動してないの バレちゃうけど、あとで学校でみてみて」 カメラマンのお姉さんから声をかけられた 「いえ、とんでもないです! こちらこそ撮ってくださって ありがとうございます」 「写真楽しみです!」 4人組は元気に答えた 先生の目を盗みながら 無事幼なじみ4人組はお土産を 購入することが出来た 大満足だった そういいながらお土産売り場をでた ちょうど出たところに 私の班のメンバーがいた 「いたいた、お土産売り場見たかったんだ」 「うん、ごめんね」 「幼なじみと楽しんだ?私達もお土産売り場 ちょっと見てきてもいい?」 「いいよ、私は外で風浴びて待ってる」 「わかった」 再び班のメンバーと別れて 海風を浴びに再び歩く そんな中、幼なじみ3人も 私に付いていてくれて 4人で潮風香る道端で元気にふざけていた あまりにもうるさかったのか 見回っていた先生にすぐ見つかる 「いつも仲良いのはいいけど、 班行動はどうした?」 「ちょっとそれぞれ行きたい所があったみたいで 4人でたまたま集まって待機しているだけなんです!」 思いついた言い訳を重ねた 先生は呆れた顔しながら 幼い四人衆を見つめる 「班活動していた時より元気そうだから 見逃すよ、上手くまわって楽しんで」 「先生本当にいいの!?ありがとうございます」 幼く元気な4人組は答えた 先生は笑顔で手を振って また元のポジションへ戻るのだった 見逃してくれた先生に感謝をしながら また幼なじみの世界に戻る 曇っていた空から キラキラした光が雲の隙間から 見え隠れする その光が反射している海は とてもとても美しかった
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加